食事管理や運動など、さまざまなことに気を付けてダイエットに励んでいる人が大半だと思います。そのなかで、実は“睡眠”もダイエットに活かせるということを知っていましたか?
今回は、ダイエットの強い“味方”となる睡眠の知識を、『青山・表参道 睡眠ストレスクリニック』で院長を務める中村真樹先生に聞いてみました。
長すぎても短すぎてもダメ!? “太りやすくなる”睡眠とは

まずは睡眠時間と体型変化の関係についてです。中村先生によれば「食欲増進作用のあるグレリンは睡眠時間が短くなるほど増加し、満腹感を感じるレプチンは減少します」とのこと。そのため、睡眠時間が短くなると「食欲が増し、同時に満腹感が得られないため太りやすくなります」と話します。
さらに睡眠時間が短いと「耐糖能、つまり血糖値を正常に保つ機能が低下し、糖尿病のリスクを上げると言われています」と、健康上の危険性についても説明しました。
一方、長時間睡眠の生活が続くことによるデメリットもあるそう。デメリットとして中村先生は「エネルギー代謝が落ち、太りやすくなるとされています」と明かしたうえで「規則正しく十分な睡眠時間(成人では7時間前後)を取ることで基礎代謝・エネルギー代謝も安定するとされています」と教えてくれました。ぜひ正しい睡眠時間をキープして健康にもダイエットにもつなげていきたいですね。
寝る前の食事で気にしたい2つのポイント

睡眠時間だけでなく、1日の中での食事の摂り方も体型に影響を与えるのだそう。たとえ1日での総摂取カロリーが同じでも「夜にカロリーが高いと太りやすく、朝食に比重をおいたほうが太りにくいとされています」と中村先生はいいます。
また「体内時計に関わるBMAL1が脂肪蓄積を促進させますが、このBMAL1は夜10時をすぎると増加するため、夜10時以降に高脂質食をとると脂肪を蓄積しやすくなり太りやすくなります」とも説明。カロリーだけでなく、どのような食べ物をどのタイミングで食べるかもダイエットには重要といえそうですね。
もし食事が遅くなったり夜にお腹が空いたりした場合は「サラダや豆腐、脂身の少ないササミなどがおすすめ」なのだとか。我慢せず、カロリーや栄養素を考えてうまく取り入れてみてください。
いかがでしたか? 今回はダイエットに活かせる睡眠の知識を中村先生にお伺いしました。意識することでより健康的な身体を目指せそうですね。ぜひ参考にしてみてください。
<プロフィール>
中村真樹
青山・表参道睡眠ストレスクリニック院長。日本睡眠学会専門医。東北大学医学部卒、東北大学大学院修了(医学博士)、東北大学病院精神科で助教、外来医長を務める。2008年、睡眠総合ケアクリニック代々木に入職。2012年から同病院の院長を務める。2017年6月青山・表参道睡眠ストレスクリニックを開院し、院長に就任。
※青山・表参道睡眠ストレスクリニック
【参考・画像】
※metamorworks/gowithstock/Theera Disayarat/shuttestock