アフリカといえば内戦や飢えをイメージする人が多いと思いますが、昨今肥満や生活習慣病が増えているそうです。特に“糖尿病”は日本人にとっても馴染み深く、注意が必要な病気。
そこで今回は、肥満や糖尿病リスクという観点から現地の食事事情をご紹介します。
そもそも「糖尿病」って?
厚生労働省の『e-ヘルスネット』(※1)によると、糖尿病は以下のように述べられています。
糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が多くなりすぎる病気です。初期には症状がほとんどありませんが、進行すると動脈硬化が進み、脳卒中や虚血性心疾患になりやすくなります。また3大合併症として、網膜症、腎症、神経障害があり、失明や透析につながる病気でもあります。
初期にはほとんど症状が無く、症状が出たときには、糖尿病が進行してしまっていることが多いのです。
初期症状がほとんどなく、気づけば病が進行している。そんな糖尿病の恐ろしさは、合併症のリスクからも感じとれますね。
また、糖尿病は世界的に有病者が増加している現代病としても有名です。

世界糖尿病連合(※2)の統計を見てみると、アフリカ大陸の今後の糖尿病人口の増加予測は極めて高い数値を表していますね。アフリカで暮らす人々の平均寿命が長くなると共に、色々な疾病のリスクが高まっており、糖尿病もメジャーな病気のひとつになりつつあります。
現地食生活から推測する糖尿病リスク
以前の記事で、ウガンダ共和国(東アフリカに位置する国)で、筆者が現地に住んで10キロ以上のダイエットに成功した記事をアップしました。
【関連記事】何もせずに10キロ以上減量!? アフリカの生活習慣に学ぶ“ダイエット成功の秘密”
記事内容は筆者の実際の食生活をまとめたものですが、現地村民の食生活文化のなかには、糖尿病を含む生活習慣病のリスクが高まりそうなものが存在していた事も事実でした。
実際に写真と共に、それらの食事をご紹介します。
砂糖たっぷりミルクティー

ウガンダの村では、乳牛を飼っていることが多いんです。そのため、搾りたての牛乳を茶葉&砂糖と一緒に沸きたてたドリンクを飲む習慣があります。
実際に砂糖を何グラム投入しているかは確認出来なかったのですが、味はかなり甘く、相当量の砂糖を使用していることが推測できます。(ただ、その分めちゃくちゃ美味しいです!)
日常的にこのドリンクを飲用していると考えると、砂糖の摂取量は必然的に多くなりますよね。
ソーダ(清涼飲料水)の幼少期からの多飲

ウガンダでは写真のような炭酸清涼飲料水(現地では総称してソーダと呼ぶ)がスーパーや商店などで販売されています。村民の中でも、中間層以上の世帯になると、幼い子どもがソーダを嗜む光景が見られます。
日本においても、過剰な糖分(果糖ブドウ糖液糖の使用)が含まれる清涼飲料水の摂取に気を付けるべきという風潮が広まってきていますが、幼いころから清涼飲料水の飲用が習慣化している方にとっては、なかなか止められない食習慣の一つなのではないでしょうか。
それを踏まえると、幼少期のうちから清涼飲料水を習慣的に飲むという行為は、糖尿病リスクを高めることに繋がるはずです。
上記に加えて、スナック感覚で村民に親しまれている食べ物として以下が挙げられます。
- マンダジ(サーターアンダギーのようなもの)
- サモサ(インド由来の揚げ餃子?揚げパイのようなもの)
- ロレックス(卵をチャパティでくるんだエッグロールのようなもの)
これらには、油を大量に使用して調理するという共通点があります。
安価でお腹が満たされる側面もあり、広く食生活に浸透している印象です。そして、全部美味しいのです(笑)。
日本に置き換えると、ファーストフード店のメニューのような立ち位置の食べ物ですね。「安いくて美味いけど、カロリーは?」「栄養バランスは大丈夫?」という疑問が頭をよぎります。
<安い食べ物を追求して健康を害した結果、多額の医療費を払う>
そんな本末転倒な結果にならないよう、筆者も普段の食事を見直していこうと思います。
【関連記事】“トレーニングジム”日本と海外の違いは?知ると面白い「海外のジム事情」最後に
ウガンダ含むアフリカ諸国において、今後の人口増加や経済発展に伴い、健康に関する問題も増えていくことが予想されます。
アフリカで洗練されたフィットネスジムに通うのは、一部の富裕層というのが現状です。しかし、経済成長に伴って「健康のために、お金を投資してでも体を動かしたい」というニーズが育ってくるでしょう。これは日本のバブル期と同じムーブですね。
「地球上で最後のフロンティア」と言われているアフリカ大陸の経済成長。アフリカの健康問題について考えることは、私たちの食生活を見直す良いキッカケにもなるかもしれません。
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