COLUMN

世界的に“肥満”が増加傾向?参考にしたい「リアルな海外の健康事情」

私たちの生活や経済活動に大きな影響を与えているコロナ禍。ご自身や家族の健康に対する意識が高まった方も多いのではないでしょうか。一方で、世界でも海外渡航の制限が解除される地域が増え、少しずつコロナ前の生活に戻りつつあります。そんな今、日本以外の国の健康や運動に関するとらえ方について、興味関心を持ち始めた方も多いようです。

そこで今回は、筆者の大学野球部時代の1つ上の先輩で、現在ドイツのケルン体育大学でスポーツビジネスを学ぶ阿部尚輝さんにドイツ国内の健康事情について教えてもらいました。そのユニークな肩書きと活動内容についても語ってもらいつつ、健康観について迫っていきます!

「コロナをきっかけに健康について考えることが増えた」「海外のヘルスケア事情に興味がある」と感じる方は、ぜひ参考にしてください。

関連記事:飢餓より肥満が増加…!? “アフリカの現代病リスク”から見直したい「食生活習慣」

ドイツ人の運動に対する考え方

――ドイツ在住歴8年目の阿部さんから見たドイツ人の運動観を教えてください!

ドイツでは、運動に対するモチベーションは総じて高いと思います。

例えば、日本だと部活という制度があるので、学生時代は運動していたが社会人になって以降なかなか運動する習慣がないというケースが見られると思います。ですが、ドイツはそれぞれの地域に様々なスポーツクラブがあり、子どもから大人まで加入していることが多いため、“すべての世代で運動する機会がたくさんある”という印象があります。

――なるほど! すべての世代に運動する機会があるって素敵ですね! ちなみに、自宅トレーニングなどは流行っているんでしょうか?

自宅でのトレーニングに関しては、個人的な感覚ですが比較的女性の実践者が多いと思います。健康面意識の高さというより、“人生を豊かにする活動の一つ”としての側面が非常に大きいのではないでしょうか。趣味などに近い感覚で楽しんでいるイメージです!

また日本と大きく異なる点を挙げると、カラオケやゲームセンター、そして漫画喫茶のような“娯楽施設”が少ないです。特に日曜日は飲食店を除くほとんどの店は営業しないこともあり、自然と外でのアクティビティが多くなる傾向にあります。

例えば日光浴やサイクリング、散歩などが、お年寄りだけでなく、幅広い世代で日常的に好まれていますね。(ドイツ人の散歩は平気で3〜4時間かかります)

重複しますが、健康面というより“楽しむ”という心意気がかなり強いのが特徴です。

進行する肥満問題の実情

――一時帰国されている時にお会いした阿部さんが、とても明るく楽しそうだったのは、そんなドイツの文化が染みついていたからなんですね。

先日、世界の肥満についてリサーチしていた際、ドイツでは、肥満、太りすぎが社会問題となっており、女性の約5割、男性の約6割、子ども・青少年の約1割強が太りすぎというデータも発表されていることを知りました。例えば、街を歩いていて上記の数値を肌で感じることはありますか?

肥満や太り過ぎに関しては、まさにその通りに感じます。特に30~40代以降はほとんど肥満気味なのではないかと思うくらい感覚的には多いですね。男性はだいたいお腹が出ていて、男性ほどではないにしろ女性にもわりと大きい人はたくさんいらっしゃいます。

ストイックに体型を維持している人は筋肉質でいい体をしている一方で、そうでない人はだいたい肥満気味というイメージがあります。二極化が激しいですね。

――肥満が社会問題化しているということですね。実際に生活されてみて、肥満の原因はどういったところにあると思われますか?

太り過ぎの原因は、やはり食生活が大きな要素を占めていると思います。ドイツの食事は日本ほど多様に富んだものではなく、ドイツ料理は大抵“ジャガイモ・フライドポテト・肉”の3点でほとんど完結してしまうんです(笑)。

画像:本野和之

味付けも日本と比べると格段に濃く、何を食べても甘すぎ、もしくはしょっぱ過ぎるの両極端であることが多いです。お菓子も同様で、一つ一つが大きいのも特徴です。

また、日本ほど自宅で料理をする習慣がなく、スーパーにいってもお弁当や惣菜といった物もほとんどないです(あったとしてもあまり美味しくありません)。

そのため、野菜などを買っても自分で料理をしなければならず、その過程を面倒に感じるドイツ人も多いと思います。

画像:本野和之

上記に加えて、ピザやケバブといった“ファストフード”が安く簡単に手に入るのも1つの要因だと思います。ピザであれば日本で買うと2,000円~3,000円すると思いますが、ドイツでは同じサイズで4〜500円で買えたりします。特に若者はファーストフードを好んで食べる傾向にありますね。

蛇足ですが、寿司はヘルシーな食べ物だという共通認識がドイツ人にはあり、3食のうちの一つというよりはスナック感覚で食べられる印象があります。

美に対する価値観の違い

――ピザが安い!というのはアメリカにも共通していて、肥満との因果関係はあるかもしれませんね。最後に、ドイツの女性の美に対する考え方、美意識についてはいかがでしょうか?

美意識に関しては、あまり詳しくないですが、女性であれば、日本の女性が求めてるようないわゆる細くて綺麗な体型ではなく、ある程度健康的で筋肉質な体型が好まれていると思います。日本ほど体型を気にする習慣はなく、体型のことについて話題にすることは好まれない空気もありますね。

アメリカのセレブ女性のような“バッチリメイクにブランド品を纏う”女性もいますが、一般的には自然体(化粧をほとんどせず、そこまで着飾らない)という意識がすごく高いと感じます。

また美食という観点では、ベジタリアンやヴィーガンの割合が日本と比べて非常に多いです。賛否両論ありますが、自分の信念や主義のようなものに徹する方が多いですね!

――ありがとうございます。ドイツ在住歴8年目の阿部さんだからこそ見える、ドイツの健康観が知れて非常に勉強になりました!

関連記事:健康診断の結果にギクッとしたら…!30代から始める「メタボ対策の運動法」

以上、ドイツのケルン体育でスポーツビジネスを学ぶ阿部さんにドイツ国内の健康事情について教えてもらいました。

後編では、阿部さんのケルン体育大学生活や学生生活についてインタビューしていきたいと思います。楽しみにお待ちくださいね!(文・取材/前川哲成、取材協力/阿部尚輝)

<プロフィール>

阿部尚輝さん

画像:本野和之

新潟県出身。京都市内の大学を卒業後、長岡京市の小学校で2年間の教員生活を経てドイツへと渡る。
教育関連や物流関連の企業で正社員として働きながら、ドイツ野球「ブンデスリーガ」で選手として計5年間プレー。ドイツでの野球選手経験を通して、スポーツマネージメントの領域に興味を持ちスポーツビジネスを学ぶことを決意。2022年4月に念願のケルン体育大学に入学しスポーツマネジメントを専攻に学びを深めている。ドイツ在住歴は8年目に突入。

【Twitter】@NaokiAbe_Europe  (Twitter)

【画像・参考】
※本野和之

※本サイトにおける医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。

\ 自分を信じて”理想のカラダへ” /

~ 【部位】で選ぶ ~

#全身 #上半身 #下半身 #二の腕 #お腹 #背中 #お尻 # # # #手首 #足首 # # #腹筋 #くびれ

~ 【目的】で選ぶ ~

#ボディメイク #シェイプアップ #ダイエット #筋トレ #パフォーマンス向上 #美ボディ #テレワーク疲れ #肩こり #腰痛 #快眠