自身のライフスタイルを見直す機会の多いコロナ禍だからこそ、お気に入りのフィットネスクラブで楽しく運動をしたい。共通の趣味で盛り上がれる仲間と、同じ時間を共にしたい。そんな想いを抱いている方も多いのではないでしょうか?
新型コロナウイルスへの感染リスクを軽減しながら、それらの気持ちを実現させるためにはどんな行動が求められるのか――
新型コロナ対策プロジェクト会議アドバイザーを務める堀成美先生に、お話しをうかがいました。
前編では、フィットネスクラブにおける感染リスクの実情や、ロッカー・マシンジムエリアで気を付けたいポイントについて紹介しました。こちらの後編では、その他のエリアでの行動指標や、フィットネスクラブを利用する方々に向けた堀先生からのメッセージをお伝えします。
プールエリアでの注意点は?

――プールエリアで守ってほしいことはありますか?
一つだけ利用される皆さんで頑張って欲しいことがあります。プールサイドで固まっているとき、マスクをしていない状態でおしゃべりをしないということです。飛沫感染対策の観点から、避けたほうがいいですね。
――多くのフィットネスクラブでは、飛沫感染のリスクを軽減するためにマスクを着用していない状態での会話を控えるようにアナウンスしていると思います。「プールでも仲間とのおしゃべりを楽しみたい」という利用者側の要望に応えることは難しいのでしょうか?
施設運営側への提案になりますが、プールサイドに「おしゃべりコーナー」を設けてみたらいいんじゃないでしょうか。マスク置き場をコーナーの中に設置して、感染対策を意識しながら会話をしたい人同士でおしゃべりをしてもらうイメージですね。
利用者の中には、そこで出会った仲間との交流を大切にしている方もいますから、会話を楽しめる場所を施設側が用意するというのも、他の利用者への配慮に繋がると思います。
レッスンスタジオで気を付けたいこと

――プールと同様に、フィットネスクラブに通う目的の上位に挙げられること多いエリアですが、こちらはいかがでしょう。
フィットネス業界のガイドライン(※1)に従い、参加者同士の距離を取るために、プログラム内容に合わせて定員を減らして実施している施設が多いと思いますけど、そういった運用を続けて欲しいですね。
レッスンが終わったあとに、窓やドアなどの開けられる場所は可能な限り開放して、換気をするという工夫も良いと思います。
浴室での感染リスクを軽減するためには?

――浴室ではマスクをつけることが出来ませんが、何に注意したら良いですか?
何か皆さんで気をつけましょうということでしたら、やはり会話を控えていただくことです。浴室ではどうしてもマスクがつけられないですからね。でも、禁止を前面に打ち出してしまうと、なかなか受け入れてもらえないと思うので、私からのメッセージは、「会話は禁止」ではなく「早くお風呂から出て、マスクをつけて楽しくおしゃべりをしよう」です。
堀先生からフィットネスファンへのメッセージ

――現在、フィットネスクラブで運動をしている方や、これから始めようと思っている方に伝えたいことはありますか?
感染拡大初期にあたる2020年の春頃は、新型コロナウイルスのことが良く分からなかったため、様々な利用制限を設けました。でも、その後続けるべきことと、省いていいことがかなりクリアになりました。なので、基本的には従来通りの運動が出来ると思ってもらって大丈夫だと、私は考えています。
これは私が長年フィットネスクラブに通っていて感じたことですが、定期的に運動をされている方たちは、本当に元気だなと思うんです。
感染リスクを軽減する行動はもちろん大切ですが、私たちの生活はもう少しトータルなものです。良く分からない情報を気にしてフィットネスクラブに通うことをやめたりせず、感染対策を意識しながら、運動を続けていただけたらなと思います。(取材・文/はぎわらひかる)
<プロフィール>![]() 堀成美(ほりなるみ) 感染症対策コンサルタント |
【画像・参考】
※東急スポーツオアシス
※Parilov/Shutterstock
※1 新型コロナウイルス対策に関する重要なお知らせ | 一般社団法人 日本フィットネス産業協会 | FIA
※「今日からできる! 暮らしの感染対策バイブル」監修:堀成美
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