スポーツの基本動作であり、活動的な毎日を送る上でも欠かせない「走ること」。身体ひとつで行えるシンプルさゆえに、日々のランニングやマラソン大会への参加を趣味にする方が増えています。また、競技力向上のために「速く走りたい」と考えているアスリートも多いのではないでしょうか?
そこで今回は、オンライントレーニングサービス『weltag』でパーソナルトレーナーとして活動している、陸上選手の簾内勇拳さんがインタビューに応じてくださいました。
ご自身が走ることに興味がある。スポーツを頑張っているお子様を応援したい。そんな方にとって必見の内容です。簾内さんのお話には、走ることと寄り添い人生を豊かにするヒントが詰まっています。ぜひ参考にしてください。
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簾内勇拳(すのうちゆうけん)プロフィール
画像:簾内勇拳 社員として、トレーナー研修・人材育成・部活動支援・システム開発や運用を担当。一方で、現役アスリート社員としてクラブチームに所属し、各種大会に出場し続けている。
【競技歴】
現役陸上選手(100m)・インターハイ/日本インカレ出場・国体出場・全日本実業団選手権大会出場・屋外60m 2017年:日本4位(前年5位)・秋田県選手権大会優勝(大会記録保持)【SNS】Instagram:@more_sunouchi
簾内さんが「走ること」に目覚めたきっかけ

――簾内さんは社会人として仕事をしながら、陸上競技をされているとお聞きしました。具体的に、どのようなお仕事をされているのでしょうか?
私の仕事は、大きく分けるとふたつあります。ひとつ目は、ジムトレーナーの研修や育成、オーディションの実施などのマネジメント関係の業務です。ふたつ目は、社内のアプリやシステムの管理です。また、『weltag』を通じた指導やウェビナーなどの、オンライン上の活動も行なっています。
――人と直接関わるお仕事とシステム管理では、ガラッと違う業務をされているという印象を受けました。
人間の身体もシステムも“それを扱う相手のことを意識する”、という点では共通している部分もあるんです。身体やシステムに関する用語は専門性が高く、難しい言葉も多いので、相手によって伝え方を変えるようにしています。
なので、相手のことを考えながら仕事をするという面では関連性を感じることもありますよ。
――アスリートとしては、どのような活動をされていますか?
アスリートとしては、クラブチームに所属して活動しています。そのクラブチームが今年から実業団になったんです。なので、今は企業や組合に所属するアスリートとして、色々な場所に行って試合に出場しています。大きな大会を挙げるならば、「全日本実業団対抗陸上競技選手権大会」(以下、全日本実業団陸上)に出場しました。
――全日本実業団陸上とは、どのようなレベルの大会なんでしょうか?
日本で一番大きな大会は、「日本陸上競技選手権大会」という学生でも実力があれば出場することのできる大会です。レベルでいうならば、その次が全日本実業団陸上だと思います。社会人の中で、日本一を目指す大会です。全国の社会人アスリートが、そこで良い成績を残すことを目標にしていると思います。
――陸上競技を始めようと思った動機や、興味を持たれたきっかけを教えてください。
子どものときから他の人より足が速く、走ることは元々好きだったんです。小学生のときに「陸上の大会に出ませんか」と誘われて、友達と一緒に大会に出ました。そこで興味を持ったのがきっかけになって、中学校では陸上部に入部したんです。
陸上の他にも、スポーツ経験があります。小学4年生から6年生の最初の半年ごろまで、野球をやっていて、残りの半年くらいはミニバスケットボールをやっていました。
足が速いということは、野球やバスケなどの他のスポーツにおいても損することはないというのが私の実感です。他の選手では手が届かないボールに追いつくことなどで、試合を有利に進めることができますから。
足の速さには遺伝的な要素が絡むこともあるようですが、後天的な環境や努力、指導によっても大きく変わってきます。そういった部分にこそ、可能性や楽しさを感じていますね。
――簾内さんトレーナー・コーチとして、どのような方の指導を行ってきましたか?
ジュニア世代の陸上クラブの指導や、中高生の指導を行っています。大人の方に対しては、パーソナルトレーニングという形で個別にレクチャーしています。
――選手やクライアントからは、どのようなお悩みごとを相談されますか?
「どうしたら足が速くなるのか教えてほしい」という相談が多いですね。具体的な質問例を挙げるならば、「スタートをどう改善したらいいのか」でしょうか。
スタート時のフォームやタイミングにはコツのような部分があるので、知っているか知らないかの知識で差が出ることが多いんです。なので、知識を得て身体に落とし込めば、結果に繋がることが多い要素だと言えるでしょう。
――指導者として、大切にしてるポイントは?
指導をするにあたって、知識と想像力は大切にしなくてはいけないと考えています。自分の経験は、あくまで自分が体験してきたことでしかないんです。足の速い人がその走り方を、そのまま違う方に教えても足が速くなるとは限りません。むしろ、混乱させてしまうことが多いと思います。自分と違う走り方をする他者を指導するには、知識に基づいたイメージが必要なんです。
「なにをどうしたら速く走れるようになる」という情報を与えるだけの指導は、結果しか見ていません。その方法を指導する相手に合わせて、受け止めやすく教えることが大切なんだと思います。自分の経験上、良い指導者と呼ばれている人は、教え方のバリエーションが豊かな方が多いと思います。
――サポートを行う上で、クライアント様が大人である場合とお子様である場合とでは、対応方法や意識を変えている部分はありますか?
小さい子は集中力が続かないので、説明を短く、擬音語を多めにして、動きを実際に見せながら教えてあげています。個人的には、背景や理論を重視している人間なんです。でも、そんな難しいことを話しても子どもには伝わりませんからね(笑)
大人に対しても、動きを見せるということは変わらずにやっています。ただ、子どもよりも理解力があるので、「なぜこの動きをするのか」といった因果関係などを理論的に説明して理解してもらうようにしています。大人には経験と応用力がありますから、ひとつの情報を与えることで、自然と答えにたどり着く場合も多いです。自分で考えて行動を修正することもできますし、そういった体験は自信に繋がっていきますよね。
走ることって、すごく楽しい

――「そもそも」な質問ですが、走るのが速くなることにはどんなメリットがあるのでしょうか?
スポーツに関して言うならば、走ることが基本動作になることが多いので、挑戦できる競技の幅が広げられます。例えば、「足が遅いから」という理由で取り組むことを断念するスポーツがあるのは残念ですよね。基本動作が強化されるわけですから、自然と競技力向上にも繋がります。
普段の生活については、走ることが速くなった結果、身体を上手に使うことができるようになります。なので、日常シーンにおいても、効率良く&軽やかに動くことができると思います。
――逆にマイナスになる要素はありますか?
走ることが好きになり過ぎるあまり、過剰に頑張ってしまった結果、怪我をすることはあるかもしれませんが…。走るのが速くなることで、直接的にマイナスなことはないと思います。本当にいいことだらけなんです。
――「走る」ということを突き詰めていった結果、簾内さんが得られたベネフィットはありますか?
陸上競技をここまで続けていたからこそ、こういったお仕事の機会をいただけているので、ありがたいと思っています。
それから、中学時代から大会や記録会に参加し、良い成績を残したり上位の大会に進んだりしていく中で、父親が私以上に陸上にハマってくれたことが嬉しかったです。
自分以外の誰かが、自分が好きなことを楽しんでくれるなんて、大人になった今だからこそ特別な体験だったと思うんです。特に、小学生のときは“父=怖い”というイメージがあったので、陸上競技に関するコミュニケーションを通じて、少しづつ父親との距離も近づいていきましたね。
とはいえ、父はシャイなところがあるので、楽しそうな姿を直接自分に見せていたわけではないんですよ(笑)でも、仕事柄融通がきくことが多かったので、平日であろうが土日であろうが、大会があればいつも応援に来てくれました。練習も頻繁に見に来てくれましたね。言葉ではなく、常に行動で示してくれていました。
父親とコーチが高校時代の同級生だったこともあって、陸上の話や私の話で会話に花を咲かせていたことを人伝に聞いたりもして…。自分が走っていることが、父の人生を豊かにしているのかもしれないと思ったときは、「走るっていいことだな。楽しいな」と素直に思いました。
――素敵なエピソードをありがとうございます。でも、競技にはタイムや順位といった数字も絡んできますよね。こういった要素も大切なんでしょうか?
競技である以上、どうしても順位や勝ち負けといった結果が生じてしまいます。確かに大切な要素のひとつですが、“結果よりも行動を、行動よりも気持ちを称賛してあげること”のほうが重要ですね。
順位やタイムを目標にすることによって、モチベーションが上がる方もいれば下がる方もいます。それに対して、大人であれば自分自身が、お子様に対しては周りの方がどのように接していくかを一度考えてみましょう。走っている本人は、嫌でも結果や数字を意識してしまうものですから。
一生懸命練習に取り組んだことを褒めてあげたり、暑い中練習をしようと思った気持ちを誉めてあげたり…。その過程を、しっかりと見ているということを表現することも大切です。
自分が指導者として一番大切にしているのも、この過程の部分をしっかりフィードバックすることなんです。日々の取り組み方を見直すことで、より良い結果にもつながっていくと考えています。
具体的なアドバイスとしては、ただ単に練習量を積むのではなく、過程から見えた問題点を解消するための小さな目標を立ててみるのはどうでしょう。自分も時期によっては、練習量を意識しなくてはいけないこともありますが、闇雲なオーバーワークで怪我をしてしまうのは非常に残念です。なので、時には練習の質を高める指標を決めて、取り組むようにしましょう。
こういった具体的な改善点の洗い出しや、目標・指標は自分では見えてこない場合もあります。そういったときにこそ、第三者目線で分析してくれるトレーナーに相談するのがおすすめです。
――読者の皆さまでも取り入れやすい、走ることがより楽しくなるポイントやおすすめの走り方があったら教えてください。
練習として走るのであれば、身体の調子が整ってきた夕方やお昼に行った方がいいですね。でも、健康維持を目的としたランニングならば、朝に走るのが断然気持ちいいのでおすすめです!
不眠症の改善を目指して、私も朝ランをしていた時期があります。夜にしっかり寝るためには、朝にしっかり起きていることが大切だからです。きちんと睡眠が取れている方にとっても、朝走ることは身体や脳の覚醒につながりますし、日中の活動にもいい影響を与えますよ。
また、身体を動かしてかく汗と、受け身でかかされる汗では、デトックス効果は違うことを実感しています。岩盤浴やサウナを利用しても、むくみが取れない方や心身がすっきりしない方は、軽く走ってみてはいかがでしょうか。運動によって血が巡り、身体に不必要なものが流れていく感覚は爽快なものです。
それから、走ることはひとりでも始められるというメリットもありますが、ランニングチームやサークルといったコミュニティーが多いのも魅力のひとつです。人と人との繋がりがあったほうがモチベーションにつながる方は、仲間と一緒に走るのもいいですね!
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以上、社会人アスリートで指導者でもある簾内さんへのインタビューでした。
ひとりでも、仲間と一緒でも楽しめる。そして、応援する側でも楽しめる。それが、シンプルかつ奥深い「走ること」が多くの方に愛されてきた要因なのかもしれませんね。
簾内さんに相談をしたい場合は、ぜひオンライントレーニングサービス『weltag』をご活用ください。オンラインという利点を活かし、マンツーマンであなたのサポートを致します。(文・取材/はぎわらひかる、取材協力/weltag)
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【画像・参考】
※簾内勇拳
\ 自分を信じて”理想のカラダへ” / ![]()
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