INTERVIEW

ネガティブな感情をコントロール!心理学者が教える「メンタルデトックス」の方法とは?

仕事やプライベートにまつわるさまざまな悩み、さらには昨年来続くコロナ禍もあって、メンタルがなかなか安定しない人は少なくないはず。

ネガティブな感情をクリアにして、一歩前に進み、さらにトレーニングや仕事に励むために。スポーツメンタルトレーニング指導士の筒井香さんに、ケース別の“メンタルデトックス”の方法を伺いました。

ネガティブな感情も必要なこと

画像:yamasan/PIXTA(ピクスタ)

——コロナ禍でメンタルが不安定になり、ネガティブな感情に縛られている方が多いと思うのですが、そういった人はどうすればいいのでしょうか?

まず、人間にはネガティブな感情も必要で、消し去れるものではありません。なぜなら、ネガティブな感情は命を守るための人間の本能的なものともいえるからです(※1)。しかし、ネガティブな感情を持つ自分を否定して嫌なストレスを増やすことはよくないため、自分の気持ちをまずはノートに書き出してみるといいでしょう。そうすると、自分の感情を客観的にみつめて、整理する力が養われていきます(※2)。

——気持ちをノートに書き出すときに気を付けるポイントはありますか?

自分の素直な気持ちと、その気持ちになった理由まで考えることが必要です。そして、ネガティブな気持ちになれたことをポジティブに捉えられるといいでしょう。

例えば、「コロナで自由に友達に会えなくて憂鬱。でもそれだけ自分にとって友達の存在が大事ってことだな」などと思えると、次に友達に会えるのがとても楽しみにもなれると思います。

また、「腹筋を今からやるのは辛いけど、お気に入りのワンピースを着ることができないのも辛い。これを頑張れば春にお気に入りのワンピースを可愛く着こなせるはず」などと思えれば、それは自分で選択した“ポジティブなストレス”になり、再び同じストレスを感じたときに負の感情になりにくくなるはず。

自分の周りで起こることは、全て刺激であり、ストレスといえます。でも、ストレスには自己成長に繋がる“ポジティブなストレス”もあるので、それをうまく仕分けして、捉え方を工夫したり、ストレス対処の選択肢をいくつか作っておくよう心掛けましょう。

他人の意見のために気分が沈んだときは?

画像:believe

——他人の意見で気分が落ち込んだときは、どうすればいいでしょう?

先程も言いましたが、ネガティブな感情は、人間の本能的なことで自然なものだといえるでしょう。ネガティブな情報をキャッチする方が、身を守るために大切だからです。それを前提として、“ポジティブな情報”に目を向ける意識を持ってみましょう。

また、他人の意見で落ち込みがちな場合、その内容ではなく相手の“属性”によって気分が変化するケースも多いのです。例えば、相手が尊敬する先輩からの注意なら「よし頑張ろう」と思えますが、後輩から同じことを言われたら「能力がない」とネガティブな感情を持ってしまうこともありますよね。この場合の落ち込みは、「後輩にまで言われるということは能力がないに違いない」という自分の持つ思考のクセが原因ということですね。

このように自分がなぜネガティブな感情を持ったのかを分析すれば、客観的に捉えられるようになり、気分が変わり、行動も変わっていくでしょう。

トレーニングのモチベーション維持はどうすれば?

画像:buritora/PIXTA(ピクスタ)

——トレーニングに対してモチベーションが上がらないときはどうすればいいですか?

心理学の視点で考えても、そもそもモチベーションは長続きしませんし、変わりゆくものだと捉える方がいいでしょう。それに「なぜトレーニングをするのか」という自分の大義を思い出すだけでは、長続きしないので、行動を起こしやすいように、いくつかモチベーションを持つことがオススメです。

たとえば、「自分が決めたトレーニングだからやり切って達成感を得る」」「新しいシューズを履きたいからやる」というもので、行動に移せればそれでOKなのです。大事なのは、こうして日々モチベーションを生み出すことでトレーニングを続けること。それを積み重ねていった結果、最終的な目標に近付いていけばとても素敵ですね。

それでも行動に移しづらいときはありますよね。そんなときは、自分が勝手に“行動せざるをえない”スイッチを作るのがおすすめ。たとえば、ランニング前にアップテンポな曲を毎回聞いておいて、その曲を聞いたら自然と走りたくなるようにしておくという手もいいでしょう。

——トレーニングはメンタルにどういった影響を及ぼしますか?

トレーニングはメンタル面にプラスにも働くと考えられます。たとえば、トレーニングをすると理想のカラダに近付いていくため、セルフイメージが向上することが多く、メンタル面にもいい影響を及ぼすと考えられます。また、心身相関の観点から見ても、カラダを動かすことで心も自然と動くことが考えられます。カラダを動かすと、メンタル面にも何かしらの影響が出てくるという研究結果が多数報告されています。(※3、4)。

「とりあえずカラダを動かしたらやる気が出てきて、いつもより走ってしまった」なんて経験はありませんか? 先ほど申し上げたような、“行動せざるをえない”スイッチを作って、“まず一歩を踏み出す”工夫をすることが大切ですね。そうすれば、おのずとトレーニングも継続できるでしょうし、メンタル面もプラスになっていくでしょう。

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いかがでしたか? コロナ禍で今までのような生活ができなくなり、ストレスや不安が溜まっている人も多いでしょうが、筒井さんが教えてくれた“メンタルメソッド”の方法を参考にしてみるといいかもしれないですね。

【画像・参考】
※KT Stock・yamasan・buritora/PIXTA(ピクスタ)
※1 Cosmides, L., & Tooby, J. (2000) Evolutionary psychology and the emotions. In M. Lewis, & J. M. Haviland-Jones (Eds.) Handbook of Emotions (2nd ed.). Guilford Pres.
※2 荒井崇史・湯川進太郎(2006)言語化による怒りの制御.カウンセリング研究,39.
※3 International Society of Sport Psychology Position Statement:Physical activity and psychological benefits, Physician and Sportsmedicine, 20, 179-184, 1992.
※4 竹中晃二・上地広昭・荒井弘和(2002)一過性運動の心理学的反応に及ぼす特性不安および運動習慣の効果.体育学研究,47(6).

<プロフィール>

筒井香

株式会社BorderLeSS代表取締役。スポーツ心理学研究で博士号を取得し、スポーツメンタルトレーニング指導士としてジュニアアスリートからトップアスリート、また指導者やトレーナー、保護者、医師、弁護士、ビジネスパーソン等パフォーマンス向上を目指す皆様への心理コンサルティングを実施。専門のアプローチは、認知行動療法に基づく、個人特性に応じたポジティブシンキングの構築。モットーは、心理学という学術的根拠に基づいた実践的なメンタルトレーニングを提供すること。サカイク等の記事で心理学に基づく解説やNHK『超人たちのパラリンピック』等のTV番組で心理学分析を担当。また、複数の大学で非常勤講師を務めながら、実践活動の自己研鑽のため研究活動も行う。
株式会社BorderLeSS

画像:筒井香

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